中古パソコンの耐用年数・勘定科目と経費処理|PCスマイル
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近年、中古パソコンの性能向上や価格の魅力から、事業用として導入するケースが増えています。しかし、新品と比べて価格帯が幅広いため、「どの勘定科目で処理すべきか」「一括で経費にできるのか」「耐用年数は何年か」といった経理処理に悩む方も少なくありません。特に中古品は、税法上の耐用年数や購入金額によって、経費計上のルールが細かく分かれています。
本コラムでは、パソコン(新品・中古)を購入したときの勘定科目と、購入金額に応じた経費計上のタイミング、中古パソコンの耐用年数の計算方法を、具体例とあわせてわかりやすく解説します。
※2026年9月時点の一般的な取り扱いをもとにしています。税制は改正されることがあるため、実際の処理は顧問税理士や税務署にご確認ください。
結論:パソコンの勘定科目と経費処理(取得価額別)
- 10万円未満:「消耗品費」などで、購入年度に全額経費
- 10万円以上20万円未満:「一括償却資産」として3年で均等に経費(中小企業者等は30万円未満の特例も選べる)
- 30万円未満(中小企業者等の特例):要件を満たせば年間合計300万円まで全額経費
- それ以上:「器具備品」として耐用年数で減価償却(新品4年、中古は簡便法で最短2年)
1. 購入金額別!経費にできる金額とタイミング

パソコンの経費処理は、その取得価額によって適用されるルールが異なります。「取得価額」とは、本体価格に加えて、送料やセットアップ費用など、事業に使える状態にするまでにかかった費用の合計です。
なお、取得価額は、税込経理方式と税抜経理方式のどちらを採用しているかによって判定の基準が変わります(税込経理なら税込金額で判定)。ご自身の経理方式を確認してから判定しましょう。
| 取得価額 | 適用されるルール | 勘定科目(例) | 経費にする時期 | 償却資産税 |
|---|---|---|---|---|
| 10万円未満 | 少額減価償却資産(すべての事業者) | 消耗品費 | 購入年度に全額 | かからない |
| 10万円以上20万円未満 | 一括償却資産(選択) | 一括償却資産 | 3年間で均等に | かからない |
| 30万円未満 | 中小企業者等の少額減価償却資産の特例(要件あり) | 消耗品費・減価償却費など | 購入年度に全額(年間合計300万円まで) | かかる |
| 上記以外(原則30万円以上) | 減価償却資産 | 器具備品(工具器具備品) | 耐用年数にわたって | かかる |
※10万円以上20万円未満のパソコンは、一括償却資産と、中小企業者等の特例(30万円未満)のどちらかを選べます。償却資産税は、固定資産税のうち事業用の資産にかかるものです。
10万円未満のパソコンは「消耗品費」として一括経費計上
取得価額が10万円未満のパソコンは、その全額を購入した年度に一括で経費にできます。これは特例ではなく、すべての事業者に適用される一般的なルールです。
■ 勘定科目:「消耗品費」または「事務用品費」を使います。
■ 仕訳の例:中古パソコン99,000円を現金で購入した場合
(借方)消耗品費 99,000円 /(貸方)現金 99,000円
■ メリット:処理がかんたんで、購入年度の利益を圧縮できるため、節税の効果が早く出ます。償却資産税もかかりません。
10万円以上20万円未満のパソコンの経費計上
取得価額が10万円以上20万円未満のパソコンは、「一括償却資産」として処理できます。
■ 勘定科目:「一括償却資産」(資産の科目)として計上し、3年で費用にしていきます。
■ 経費にする方法:3年間で均等に分けて経費(償却費)にします。たとえば15万円で購入した場合、初年度から3年間、毎年5万円ずつ経費にします。
■ メリット:減価償却資産とは違い、償却資産税の対象にならない点です。
なお、中小企業者等であれば、この価格帯のパソコンに次の「30万円未満の特例」を使い、購入年度に全額を経費にすることもできます(その場合は償却資産税の対象になります)。
30万円未満のパソコン(中小企業者等の少額減価償却資産の特例)
一定の要件を満たす中小企業者等であれば、取得価額が30万円未満のパソコンを、購入年度に全額経費にできる特例があります。個人事業主や中小企業にとって、最も利益を圧縮しやすいルールです。
■ 対象:青色申告をしている中小企業者等(資本金1億円以下の法人や、青色申告の個人事業主など。従業員数などの要件もあります)
■ 内容:取得価額の合計が年間300万円までであれば、全額を購入年度に一括で経費にできます。
■ 勘定科目:「消耗品費」や「減価償却費」などで処理します(いったん「工具器具備品」として資産に計上し、全額を償却する方法もあります)。
■ 注意点:この特例で経費にしたパソコンは、償却資産税の対象になり、申告が必要です。
■ 特例を使わない場合:後で説明する「減価償却資産」として、耐用年数に応じて償却します。
特例は期限付きです:中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、期限付きの制度で、税制改正によって延長や金額・要件の変更が行われることがあります。令和8年度(2026年度)の税制改正の内容も含め、最新の要件は国税庁のサイトや顧問税理士にご確認ください。
30万円以上のパソコンの経費計上
取得価額が30万円以上のパソコンは、原則として「減価償却資産」として処理します。
■ 勘定科目:「器具備品」(工具器具備品。資産の科目)として計上します。
■ 仕訳の例:中古パソコン35万円を現金で購入した場合
(借方)器具備品 350,000円 /(貸方)現金 350,000円
■ 経費にする方法:法定耐用年数(新品は4年、中古は簡便法による年数)にわたって、分けて経費(減価償却費)にします。
2. 減価償却資産と一括償却資産の違い
「減価償却資産」と「一括償却資産」は、どちらも複数年にわたって経費にしますが、特に償却資産税の扱いに大きな違いがあります。
| 項目 | 減価償却資産(原則30万円以上) | 一括償却資産(10万円以上20万円未満) |
|---|---|---|
| 経費にする期間 | 法定耐用年数(中古は簡便法も可) | 3年で均等に |
| 償却資産税 | 対象になる(申告が必要) | 対象にならない |
| 経費の科目 | 減価償却費 | 一括償却資産償却費など |
償却資産税とは、毎年1月1日時点で所有している事業用の資産(償却資産)にかかる地方税です。この負担を避けたい場合は、10万円未満に抑える、または20万円未満にして一括償却資産として処理することも、一つの節税の考え方です。
3. パソコンの耐用年数と中古パソコンの計算方法(簡便法)
■ パソコンの法定耐用年数
税法上、パソコン(サーバー用を除く)の法定耐用年数は4年です(サーバー用は5年)。
■ 中古パソコンは「簡便法」で短くできる
中古品は、すでに使われた期間を考えて、より短い期間で償却できる「簡便法」を使えます。これにより、購入後すぐに多くを経費にできるメリットがあります。
【簡便法の計算式】
・法定耐用年数の一部が過ぎている場合:(法定耐用年数 - 経過年数)+ 経過年数 × 20%
・法定耐用年数がすべて過ぎている場合:法定耐用年数 × 20%
※1年未満の端数は切り捨て、計算結果が2年未満の場合は2年になります。
| 中古パソコンの経過年数(製造・使用開始から) | 計算 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 1年 | (4-1)+1×0.2=3.2年 | 3年 |
| 2年 | (4-2)+2×0.2=2.4年 | 2年 |
| 3年 | (4-3)+3×0.2=1.6年 → 2年未満 | 2年 |
| 4年以上 | 4×0.2=0.8年 → 2年未満 | 2年 |
このように、中古市場で多く流通している数年前のパソコンは、ほとんどの場合、耐用年数2年で償却できます。新品(4年)の半分の期間で経費化が完了します。
4. 意外と忘れがちな取得価額・周辺機器の扱い
取得価額:どこまでが本体価格に含まれるか
判定を誤らないよう、取得価額には、本体価格以外にも次の費用を原則として含めます。
■ 含む費用:送料、設置やセットアップにかかる費用(外部業者への委託料など)
■ 含まない費用(別に処理できるもの):保証料、使い始めた後の維持管理の費用、別に購入した消耗品(マウスパッドなど)
周辺機器の扱い

マウス、キーボード、モニター、プリンターなどの周辺機器は、本体と一体で使うものとして扱うか、単独で扱うかによって処理が変わります。
■ 本体とセットで購入・使用する場合:デスクトップパソコンの本体とモニターなど、通常一緒に使うものをセットで購入した場合は、合計額で判定するのが一般的です。
■ 単独で購入する場合:後から単独で購入した周辺機器は、その機器の取得価額が10万円未満であれば、本体の価格に関係なく「消耗品費」として一括で経費にできます。
5. 中古パソコンの導入が節税に有利な理由
中古パソコンの導入は、新品と比べて次の2点から節税に有利です。
① 10万円未満に収まりやすく、すぐに経費にできる
中古なら、Core i5・メモリ16GBなど業務に十分なスペックのパソコンも、10万円未満で購入できることが多くあります。そのため、「消耗品費」として購入年度に全額を経費にでき、償却資産税もかかりません。
② 高額な場合も、償却期間が短い
30万円以上の高性能なパソコンでも、前述の簡便法により、新品(4年)より短い期間(多くは2年)で経費にできます。購入後の早い時期に大きな減価償却費を計上でき、利益を圧縮できます。
法人向けパソコンの価格帯は法人向けパソコンの価格相場|新品と中古を用途別に比較で詳しく解説しています。
6. よくある質問
Q. パソコンは消耗品費で処理できますか?
A. 取得価額が10万円未満であれば、「消耗品費」として購入年度に全額を経費にできます。10万円以上の場合は、一括償却資産や減価償却資産などとして処理します。
Q. パソコンの耐用年数は何年ですか?
A. 税法上の法定耐用年数は4年(サーバー用は5年)です。中古パソコンは簡便法を使うと、多くの場合2年になります。
Q. 中古パソコンの修理代はどう処理しますか?
A. 故障を直して元の状態に戻すための修理代は、一般に「修繕費」として、その年の経費にできます。性能を高めるための部品の追加などは、資産の取得として扱われる場合があります。
Q. タブレットの耐用年数も同じですか?
A. 業務用のタブレットも、一般にパソコンと同じく4年として扱われます。取得価額による処理の分け方も、パソコンと同じです。
まとめ:最適な経費処理で賢い節税を
パソコンの勘定科目と経費処理は、取得価額によって「消耗品費」「一括償却資産」「減価償却資産」のいずれになるかが決まります。中古パソコンは10万円未満に収まりやすく、高額な場合も簡便法で耐用年数を短くできるため、会計処理の面でもメリットがあります。
購入前に取得価額を把握し、どの処理が自社の資金計画や節税の目標に合うかを検討することが大切です。正確な経理処理のためにも、疑問点は税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
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